TRICK HONEY.homenovelmailendbottom
※非合意の強姦、暴力、女性絡み有り。
 
男として生まれたからには、多種多様な女とまぐわいたい。簡単に言うと突っ込みた……もとい、セックスしたい。お綺麗ぶったところで所詮は男だ。チンコでモノを考える。よほどの潔癖症でもない限り「ヤってください」と転がった肉を放っておくはずがない。それが俺の持論。
ところで、俺ことショウタは自他共に認めるクズ野郎だ。本能と持論とチンコの赴くままに生きて来た結果が、今の俺。
いわゆる健全なお付き合いというものも何度か通ってきた道ではあるが、長続きした試しはない。それは当たり前だった。肉食動物が、散々食い散らかした獲物に興味を示さなくなるように、必然と女を捨ててきた。女の方から離れて行くこともままあった。
賞味期限切れのコンビニ飯は廃棄する、フツーだろ。俺の何が悪いの?
私の何が悪いの?と泣きじゃくりながら問い詰めてくる女に、毎度問い返す言葉だ。大概は怒りに任せて俺を殴るか、さらに泣きを深めて追いすがるかだ。たまに不気味なものを見るような目で逃げるやつも居る。失礼な話だ。
こうやって考えてみるに、もしかすると、俺は最低な人間かもしれない。クズ野郎であることは認めても、最低だとか男の風上にも置けないとか、そういった称号はごめん被りたい。欠片ほどの矜持に関わる。しかし、ひょっとして、俺はやっぱり最低な人間かもしれない。
 
「うえ、えっ!待て待て、っう、待ってお願いやめて!」
 
だからこれが罰なのだと言われれば、俺はやっぱり、何がなんでも納得できない。これまで捨てた女の顔がいくつか浮かび、一体誰の呪いなのかを考えてしまう。
股の間に俺を挟んだ女が喚く。言わずもがな、現在進行形で絶賛合体中だ。確かに酔い潰して連れ込んだはずが、はっきりとした口調で拒絶を示す様に、演技だったのかと一瞬訝る。尻の軽い女だ。そうしてブーメランで跳ね返ってくる言葉は痛くも痒くもない、いつもであれば。
正常位で女と繋がった俺の背中に、ひとつの影が落ちる。俺と似たような背格好の男だ。
"女大好き交尾大好き"を地で行く俺とこの男、コウジがつるむようになったのは当然の流れだ。こうやって複数名でホテルにしけこみ、流れによっては5人、6人なんてのもザラだった。
 
「だってお前のケツ、エロいんだもん。人の目の前でぷりぷり揺らしちゃってさあ……ちょっとハメさしてよ」
 
……それを後悔する日が来ようとは。
 
「あ!あ!やだやだホント無理やめて、やだ、ひぐ……っ!ア!」
 
人様のケツを揉みながら恐ろしい台詞を吐くコウジに、女と挟まれて逃げ場のない俺は慄くしかない。まったくどうしてこうなった。いつも通り順番に女を回す予定が、とんだ災難だ。
安いラブホのサービス品である、なにやら毒々しい色合いのローションが無造作に突っ込まれる。どこにかってそれはうっかり口に出せないほどおぞましい穴だ。思わず肩が跳ね、脂汗が滲む程度には痛い。いくら細い吐き出し口とは言え、無防備なケツにいきなり刺すべき太さではない。そんなところに異物を入れられたことがないため抵抗の仕方が分からず、下手に動けば取り返しの付かない事態に陥りそうだった。自分の体重を支えるだけで精一杯だなんて笑えない。
 
「やだやだやだっ、あ、あ、アッ、コウ、ッジ!ふぐううううう!?」
 
じゅるるるる!ごぶっごぶぶぶ……ぶぢゅっ!
 
ひどい音だ。男とセックスをしたことなどないのであろうコウジが、ありったけの中身をぶち込もうとしている。かく言う俺も男とヤったことなどない。人工的な色の液体の内いくらかは入らず、強ばった尻肉から見る間に溢れ返った。内股が冷たい。白いシーツがみるみる赤紫色に染まっていく。とうとう体を支えられなくなり、目の前に広がる丸いおっぱいと柔らかい体にしがみつく。前も後ろも一分の隙間なく他人の肉に触れ合っている。頭がどうにかなりそうだ。ケツの方もいろいろ問題だ。
 
「お前ケツとか洗ってねーよな?とりあえずゴムすっけど」
 
押し当てられた熱さに、血の気が引く。自分の体のことであればすぐ分かる。うそだ、嘘だ。いくらか滑り気はあるだろうが、受け入れるような状態ではない。ゴムをしていれば良いという問題でもない。そもそも俺はコウジとのセックスに了承していない。何度も間近で見ていたあのチンコが、伸縮性のシの字も持たない自分のケツに収まるとは到底思えなかった。
思い出したように暴れるべく力を込めたら、首の根本あたりをがぶりとやられた。容赦なく犬歯が食い込む。動物の交尾でもあるまいし、などとこの状況下で妙に冷静なツッコミを心中入れる。だが、予想外の痛みに力が抜けたことは確かだ。
 
「怖い怖いホント無理マジれっひっ、っぃ、ひだィ!?」
 
「っあ、せめー……っな!」
 
「痛い痛い痛いいいい!いだい!?ィダ……ッあ!やだやだああああ!?」
 
ほんの僅か開いた穴に、チンコの割れ目が埋まる。この時点でも痛みは半端ではないし、肌と粘膜に触れるゴムの感触が妙にリアルだ。視界が一気に白むほどの激痛が下半身を襲う。無遠慮にねじ込まれた質量は完全に許容範囲外だった。ケツなのか首元なのか、ナイフで切りつけたような鋭い痛みが走り、茹だった脳内で俺の体のどこかが傷付いたことを知った。全身が痛覚になったようだ。
 
「う、う、う、う……ひぐっ、ぐず、痛い、痛いってぇぇ……」
 
だから泣いてしまうのは仕方ない。不可抗力だ。
 
「あー……すげー悦い。ちょー締まる。ちょい痛いから、ユルめらんない?」
 
そんな俺の様子を気にも止めず犬歯を引っ込め、恍惚とした声で呟くコウジ。誰が従うか。そんな俺の意思とは裏腹に、どうやら避けたらしい肉壁から血でも出始めたのか、ぬめった音と共に一息ですべてを挿入された。
文字通り呼吸が止まる。いっそ気を失うか理性を保てなくなればいいのにと願いながらも、あまりの圧迫感がそれを許さない。女にとっては喜ぶべき肉の棒かもしれないが、俺にとっては排泄感を伴うただの異物だ。とうとう完全に、レイプされてしまった。気の置けない友人であるはずの相手が今や得体の知れない強姦魔である。俺の何が奴の琴線に触れたのかは不明だ。今なら、身勝手な暴力に晒された女の気持ちが分かる。早く早く終わってしまえと、瞼をきつく閉じた。
 
「アッあっあ゛、!ぁ、うご、動くなっひ、ひ、うう、っう」
 
「は、は、ねっ?俺のチンコ気持ちい?気持ちい?俺はすんげー気持ちい、っ!ショウタの肉っ!」
 
「ふぐっふ、ふう、あ!あっ!んん、ン、ん゛ーっ、あ!」
 
ぬこっぬこっとコウジがピストンする度に俺の意識とは無関係で筋肉が躍動し、戦慄き、コウジを悦ばせる。直腸がチンコの形に型どられていく。ヒダのひとつひとつを潰すようにグラインドするゆったりとした動きが、気に食わない。とにかく派手好きで、ヤンキーとチャラ男の中間に位置する見た目とは裏腹に、コウジは甘え上手な男だった。今も女にするみたく俺の様子を見ながら、自分から強請らせようと焦らしていることを知っている。そうして、とんでもない激痛の中で僅かな快感を拾い始めている俺が、流されようとしている現実に冷たく笑っていることも。
耐えられなかった。とにかく逃げようとずり上がる。少しでも押し入ってくるチンコから逃れたかった。腰骨あたりを掴んだコウジの手と、女と、女に収まったままの己自身が邪魔をする。
俺の体とコウジの体が激しくぶつかる音が響く。エロ漫画なんかでは「パンパン」とか可愛く表現されるだろうが、体格の良い男ふたりが対象ではそんな可愛らしいものではない。がつん、とか、ばつん、とか。そんな感じだ。骨と筋肉が打ち合い、震え、性交と呼ぶには程遠い暴力的な動きだった。果たしてコウジは女に対してもこうであったか。思い出せない。おもいだせない。
 
「かっわいくねーなァ……ンな酷くされてーの?肉便器のくせにっよ!」
 
「!っあ゛ー!!あ、ア、ア!、あ゛ーっ!はや、は、早いのやだっ、あ!あ!あ!はあっあ、うああ!」
 
ばつっ!ばつん、ごちゅ、じゅ、ごぷ!ばつん!
 
「ぁ、ぁ、あ、っんぐ、う、う、はや、いってぇぇっ!?はや、早いっお、ォ、ア!っあ!許、て!抜けっよぉ、抜いで……っ!」
 
「ふふっ、俺の、チンコで!そんな声っ出して、っんの?俺と、気持ちくっなろー?ね?っあー、締まる、締まるっ!」
 
まるで悪夢だった。それも激痛を伴う最悪で、最低な部類の。自分のものとは思えない声が次から次へと溢れ、堪える為に唇を噛み締めると呼吸が出来ず、結局抑えられない。こめかみのあたりが熱く痺れていた。微かに感じる快感を上回る痛みで、気絶することさえ許されない。早く終われ早く終われと呪いのように願いながら、見開いた眼前に広がるのは肌色ただ一色だった。
 
 
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糸を引き、萎えたチンコが女の中から抜ける。コウジにケツを掘られた時点から萎えていた。痛みで勃起できるような変態ではない。肩口に顎を乗せたコウジが俺のチンコを見下ろし、鼻で笑う声が聞こえた。ちなみにコウジのチンコは一度イッたにも関わらず、完勃ちの状態でまだ俺の腹に収まっている。最後の仕上げと言わんばかりに、尾てい骨の肉へ沿ってそれを緩慢な動作で抜き去る。思わずひくついてしまう自分の体が恨めしい。傷口をわざとなぞっているような動きだった。ローションで汚れたシーツが赤黒い染みで上書きされる。あーやっぱり付いちゃったとぼやき、コウジ自身を覆うゴムを外す音がする。なにが、と聞き返そうにも声が出ない。
尻を埋め尽くす圧迫感が無くなった途端、今まで感じたことのない激痛が体のあちこちを襲い、力無く女の隣へ倒れ込む。不意に目が合う。ああ、ひどい蔑み、だ。まるで露出狂か痴漢男を見るような視線だ。俺は被害者なのに。確かに最後の方は全体重をかけてしまっていたけれど、俺に非はないはずだ。
 
「ねえ、もう帰っていいよ?アンタのユルマンより良いケツマン見っけちゃったからさあ」
 
うっすらと開かれた視線の端、名も無い女をベッドから蹴り落とす足が見えた。抵抗する余力すらない俺の腰を抱え上げ、ギンギンに盛った肉を当てがったコウジが「今度はケツ洗ってから生でしよーね、ショウタ」と笑うのに、俺はどんな顔をしていただろうか。女の罵声でそれを知った。
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